Addiction(嗜癖)とは 


Addiction  

日本語に訳すと嗜癖(しへき)と訳されます、悪い癖、習慣といっても良いでしょう。医学的には「依存症」の事です。依存症は多種多様に存在します。アルコール・薬物・ギャンブルの三大依存症に代表され、ネット・ゲーム・人(関係性)・カフェイン・性(セクシャリティ)・共依存・団体・活動・自傷行為・摂食・仕事・買い物その他DVやネグレクトなども含まれると言われています。ここでは一番歴史も古く治療も進んでいるアルコール関連について述べたいと思います。

ここでは、日本精神医学会に敬意を表して、診断基準をDSM5を採用し、アルコール問題は
英語表記 Alcohol use disorder.  日本語表記 アルコール使用障害と致します。
さらにここに記述してある事項は医療側からのものではありません、ピアの側からのものです。それを踏まえてご覧ください。

アルコール使用障害は昔は4合以上のお酒を10年間飲み続けると罹患すると言われていましたが、今はもっと早くもっと低年齢から飲みだすと早く罹患するとされ、女性は男性の半分の期間でなると言われています。また親がアルコール使用障害者の場合その罹患率は4倍になるとも言われています。
下記からはアディクション(嗜癖・依存症)について記載しておきたいと思います。
 

依存症は完治はしません、しかし回復をする脳の病です。または完治しますが、リラプス(再発)を起こす病気です。とも言われています。


アルコール使用障害(Alcohol use disorder.)ってどんな病気?

アルコール使用障害は脳の病気・障害です。精神疾患すべてがその障害を受けている臓器は脳であることを考えてみれば、昔から言われてきた、気質や性格や根性の問題ではありません。

では、脳のどこがどうゆう風にダメージを受けているのでしょう。

前頭葉・側頭葉・頭頂葉・後頭葉などなど部位がある脳は約140億個の神経細胞を持っています。ただこれはグリア細胞と呼ばれる縁の下の力持ち的な細胞の数は含まれません。

この脳の腹側被蓋野のA10細胞というところがアルコールによって損傷を受けています。ここは神経伝達物質のドーパミンを放出する命令を出す部所です。脳細胞と脳細胞はニューロンという情報を伝達する細胞で結ばれていますが、このニューロンは短いのです、次のニューロンには手が届いていません。それを補って情報を伝達する物質がドーパミン・ノルアドレナリン・セロトニンに代表されるものです。ドーパミンは興奮・快感・高揚感を呼び、セロトニンは安定感・安らぎを与え、ノルアドレナリンは興奮・緊張・怒りを与えます。このドーパミンが多量に放出されることによって気分がよくなり、より高揚感が増しもっとその物質が欲しくなるのです。通常の人はギャバ細胞というのがその放出の抑制をするのですが、アディクト(使用障害者)はそれが出来なくなっています。結果依存物質をとめどもなく欲することになり。最後は酩酊してしまうのです。

専門医の中ではアルコール使用障害は生活習慣病の一種であると定義づける医者もいます。アルコールはバルビツール系の麻酔薬に分類されるお薬です。嗜好品とされ古くは神事に用いられたていましたが。基本は薬物です。今のセルフヘルプグループ(自助グループ)の中では、メタンフェタミン・アンフェタミン・コカイン・ヘロイン・MDMAなどと同列に扱われています。治りはしませんが回復はある脳の病気です。

さて最新のアディクション研究の結論ですが、脳内で上記のような報酬系の回路が出来ているというのが今までの結論でしたが。確かに脳内はそうなっていますが、快感や喜び気持ちよさを求めて依存症になったのではないというのが最新の研究で分かってきました。良い気持ちを求めたのではなく、心の傷や、痛さ辛さ苦しさを軽減するために依存物や依存行為に走ってしまったのです。つまり、防衛機能の一つと言えると思います。これが最新の研究結果です。

アルコール問題にはType1とType2があると言われています。簡単に言うと、Type1は慎重タイプでType2は冒険家タイプです。もっと言うと前者は古い人で今の現状を維持しようとする人、後者は新しい人で革新的な行動をする人です。

さらに、アルコールという薬物(バルビツール系の麻酔薬に分類)によってパーソナリティに変化がおきます。つまり人格変化が起きるのです。これについては、後日資料をまとめてここに掲載いたします。